tc electronic unitune clip を2年使ってみてレビュー:満足度の高い高性能クリップチューナー

公開:2020/04/07

レビュー 音楽 楽器・機材

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久しぶりにブログを書いてみようと思い立ったnamimoriです。

今回は tc electronic のクリップチューナー、「unitune clip」をレビューしてみます。

2年間メインで使ってきたunitune clip。画面には保護シートを貼って使用している。
2年間メインで使ってきた unitune clip。画面には保護シートを貼って使ってます。

購入したのは、約2年前、2018年の春頃でした。購入当時税込み3500円ほどでした。(記事閲覧時の価格は各自ご確認ください。)

2023年10月追記:今でも使っています。5年間現役で頼りになるチューナーです。



主なスペック

基本的なスペックは以下のとおり。(箱・付属マニュアルより。)

  • チューニング精度±0.5セント(注1)(ストロボモードでは±0.02セント)
  • 基準ピッチ435~445 Hz(1Hz刻み)
  • 3分間のオート電源オフ機能
  • 画面の自動回転機能
  • 電池は他のチューナーでも標準的なCR2032コイン電池
注1:±0.5セントはメーカーサイトより。サウンドハウス紹介ページには「クロマチックモードの精度+/-0.5%は誤りで正しくは+/-0.05%」との記載あり。いずれにしても高精度。

安定して使い勝手のよいクロマチックモード

私がこの UNITUNE CLIP を選び、そしてオススメする一番の理由が「チューニング精度の高さ」です。

UNITUNE CLIP 購入前はB社やK社の製品を使っていましたが、いずれもチューニング精度「±1セント」でした。チューニングしながら弾きながら、「チューナーでは合ってるけどなんか微妙にずれてる……。」と思いながら耳で微調整をしておりました。

また、以前のチューナーではメーター中心付近での針のふらつきも気になりました。おそらく倍音に反応しているのか、弦振動が安定した後も針が振れたり、他の音名が表示されたり。

しかしながら、UNITUNE CLIP ではこれら気になっていた点が解消されました。まず、スペック通りピッチ感が良く、前述の「チューナーではあってるけど…」というのをほぼ感じません。クロマチックモードのチューニング精度でも普段使いには十分なピッチが得られます。

また、クロマチックモードではとにかく針のブレが少ないです。高くなったり低くなったりというブレや基音以外の音名が表示されてしまうことがなく、非常にチューニングが合わせやすいです。ギター・ベース用に最適な設計になっていることがうかがえます。

ストロボモードではさらなる精度

さらに、ストロボモードではさらに高精度なチューニングが行えます。

ストロボモードとは、針の移動速度でチューニングのずれを表示する機能です。入門向けチューナーなどには搭載されていない機能かもしれません。各社の上位機種には備わっているモードのように思います。

UNITUNE CLIP では、ストロボモード時は下図のように、

tc electronic unitune clip ストロボモードでのチューニングの様子を紹介。左の画像から段々とチューニングを合わせていく。
低い(緑が速く左へ流れる)→わずかに低い(ゆっくりわずかに緑が流れる)→ぴったり(流れが完全に停止)

ピッチが基準より低い場合、赤ランプが左側に表示されるとともに緑ランプが速く左へ流れ(高い場合はその逆)、ピッチが合うにつれ赤ランプが中心に向かい、流れも遅くなります。最後にランプの流れが完全に止まればチューニングが完全に合った、ということになります。

ストロボモードではクロマチックモードよりさらに高精度にチューニングができます。以前のチューナーやクロマチックモードでのチューニング時と比べ、コードを鳴らしたときの響きが確かに違います。また、ランプの流れる方向で微少なピッチのズレもわかりやすく認識できるため、オクターブチューニングにも使えると思います。

ただ、非常に細かいぶんそれだけチューニングに時間もかかりますので、レコーディングやメンテナンス用に向いたモードといえます。

自動で天地検出し画面回転、可動部の少なさは耐久性の面でGood

また、天地を自動検出し画面回転するので、ヘッド裏につけたりできますし、レフティギターでも扱いやすいでしょう。可動部が一カ所のみなので取付け角度の自由度はやや劣ります。しかし画面表示が回転するので問題なく見やすい位置に取り付けられます。私の所有するドレッドノートタイプのアコギ、ストラト、ジャズベの全てのヘッドで見やすい位置に挟めました。極端な変形ヘッド出ない限り問題なさそうです。

tc electronic unitune clip をギターヘッドの裏側につけた様子。画面自動回転機能によりこれが可能。
ヘッド裏につけてみたり

以前使っていたチューナーに、アーム式のものがありました。そちらの方がつける位置や画面の向きに関しては自由度が高いのですが、アーム付け根の摩耗でゆるくなったり、アームが折れたりと耐久性に難あり……でした。(もっと大事に扱えって話かもしれません……。)

一方 unitune clip では可動部が少ない分、壊れる場所も少ない、ということで私はプラスに考えています。起き上がり部分の硬さもマイナスドライバーで調節できるので、緩んできてしまったら締め直せば大丈夫です。

画面表示は明るく見やすい。傷が付きやすいのはややデメリットか。

画面はLEDランプ表示で、暗いところはもちろん明るい野外でも十分見やすいです。ライブハウスや夏の直射日光下でも見にくいと感じたことはありません。

画面はすり傷がややつきやすいように感じます。私はピック等の小物と同じケースに入れて持ち歩いていましたが、いつのまにか細かい傷が沢山ついてしまいました……。その段階では表示が見づらくなった、とは感じなかったのですが、念のためそれ以来100均の画面保護シールを切って貼って使っています。

電池保ちも問題なし、たまにレビューで見かける症状は修理にて対応可

実はこの unitune clip 、私は2回修理して使っています。症状はどちらも「電源オフ状態でも電池を消耗してしまう。1日置いておくと電池が切れている。」というもの。同様の症状はサウンドハウスのユーザーレビューでも見かけます。

一回目は購入当初からの症状。購入店のサウンドハウスに連絡し対応して頂きました。修理対応で症状は改善し、数ヶ月電池入れっぱなしでも問題なく使えるようになりました。

しかしながら、同様の症状がその後も発生。1,2回落下させたのが原因かもしれません。再びサウンドハウスに連絡し、修理対応して頂きました。以来、半年ほど経ちましたが問題なく使えています。

普通の状態では電池保ちは数ヶ月あるはずなので、電池保ちが悪い!と感じている方はぜひサポートに連絡してみましょう。

ちなみに、3分間の自動電源オフ機能がついていますが、これは「電源を入れてから3分」であり、「振動・音が検出されなくなってから3分」ではないのでご注意ください。といっても慣れた人なら普通の6弦ギターや4弦ベースで3分もチューニングに時間がかかるということはないので問題ないでしょう。むしろ電源切り忘れによる無駄な電池の消耗を防げるので、電池保ちの面ではプラス評価です。

まとめ:多少高くても高性能を求める人におすすめ!

有名メーカーのものでも入門機なら1000円台で買えてしまうクリップチューナーですが、それらより1000~2000円多く出して買う価値は大いにあると思います。

今使っているチューナーの精度に不満のある方や、2台目として高性能な物を選びたい方は是非選んでいただきたいチューナーです。

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