折りたたみギタースタンドGS200Bのレビューと使い方のコツ
持ち運び用のギタースタンドが欲しかったので色々と検討し、HERCULES GS200B を購入しました。据置機材のスタンドが無い会場への持参用にコンパクトなものを、アコギ・エレキどちらも弾くので兼用できるものを選びました。
使用感や使い方のコツなどレビューします。

基本スペック
折りたたみ時サイズ | 260x110x43 mm |
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設置面スペース | 400x280 mm |
高さ | 240 mm |
許容荷重 | 10kg |
重量 | 0.5kg |
折りたたみ時の長辺はB5サイズ長辺(257mm)を数ミリ超えるくらいなので、B5サイズまでのポケットだとギリギリ、A4サイズ(長辺297mm)が入る厚めのポケットには余裕で収まるサイズ感です。また、ダイソーや100均でも買えるA4サイズ(モノによってはB5サイズも)のクッションケース等にも入ります。
広げた時の設置面スペースはA3サイズ(297mm×420mm)に収まります(楽器本体の出っぱりを除く)。よくある三脚型のパイプギタースタンドと比較すると、左右方向は短く前後方向はやや長いです。
重量も500mLペットボトル飲料と同等で、リュックやギグバッグに入れて背負う荷物としては許容範囲内かと思います。ちなみに当方所有個体の実測値は538gでした。
アコギ・エレキ両対応については、黄色いフックが引っ込んだり出っ張ったりすることで胴厚の差に対応しています。胴の収まるスペースは約67mm・128mmあります。※最下部のコの字のスペースは最長部80mm・140mmありますが、ギターのバック部が触れる部分から後ろ側にえぐれているため実際にギターが収まるスペースはやや短くなって上記値となっています。
使用感
アコギ・エレキともに良好な使用感
当方所有のギターではドレッドノートタイプアコギおよびストラトシェイプエレキ(ヤマハPacifica)どちらも安定して立てられます。前後左右から軽く揺らしても簡単には倒れません。
ギター底部と床との距離が近いためシールドケーブルを挿したまま立てる場合は注意が必要です。Pacificaでは大きめストレートプラグのケーブルを挿したままでもギリギリ立てられました。エレアコ等でエンドピン部にジャックがある場合はL型プラグ必須です。
ジャズベースなどボディ下部が斜めの楽器はやや不安定
ジャズベースも立ててみましたが、上記ギター類と比べ安定感はやや劣ります。ジャズベースはボディー下部が片側一方に向かって斜めの形状となっているため、スタンドとボディの中心を合わせボディ下部ラインを水平にしようとするとヘッドが傾き、直立させようとするとスタンド中心とベースの中心とが合いません。
いずれにせよ重心を支えておらず接点ゴムのホールド力頼りで立てている状態になってしまいます。
底面形状が左右対称に近いベースやギターなら大丈夫ですが、左右の非対称性が高い楽器での使用を検討している方は注意が必要です。
接触部分の素材について
ギターが触れる部分および足底部分は硬めのゴムっぽい素材になっています。滑りにくくかつギターをやさしくホールドしてくれます。特にギターバック面が触れる部分は滑り止めの効果でギターが横に倒れるのを防いでくれます。
ギターが接触する部分のゴム素材について、本国メーカーサイトには以下のように記載があります。
Specially Formulated Foam Padding fully protects instrument at all contact points.
そしてこのSpecially Formulated Foam (SFF)についてはメーカーサイト内FAQsで以下のように解説されています。
Is SFF (Special Formulated Foam) safe for Nitrocellulose lacquer finish?
HERCULES takes great pride in providing you with the highest quality and most trusted stands in the world. HERCULES had conducted numerous trials on our SFF foam and is pleased to conclude that the foam does NOT react with the large majority of popular instrument finishes on the market, including Nitrocellulose. These trials included subjecting an assortment of high end and budget friendly instruments on our variety of stands to punishing heat, bitter cold and common room temperatures for periods of up to six months without disruption.
However, each instrument manufacturer has their own formulation of Nitrocellulose, with varying proportions of the chemical agents involved. There are thousands of variations of lacquer in use in today’s instrument manufacturing processes, making it impossible to test them all. Therefore, to maintain the level of respect and support your valuable instrument deserves, we recommend you refer to your instrument's owner’s manual for more information regarding the proper storage of your instrument.
すなわち、楽器と接触する部分にはニトロセルロースラッカー(ギター用塗料としての所謂ラッカー塗装[1])を含むほとんどの楽器用フィニッシュ剤と反応しないSFF素材が使用されているようです。(ただし、個別の楽器の取り扱いは各楽器のマニュアルに従うようにとのことです。)[2]
開き方のコツと可動部が渋い場合の対応
開き方
最初展開するのに苦戦しややコツが必要でした。
両手で前後の脚部を同時に開く(本体記載の矢印方向)と良いです。歯車が噛み合っているので片方ずつ開くことはできません。
以下のメーカー公式動画のように開くのが正解です。
可動部が渋い場合の対応
コツを掴むと開きやすくはなりましたがそれでも各可動部分がやや渋かったので、シリコン潤滑スプレーを差し改善させました(滑り止め効果を損なうのでゴム部分に付かないように注意)。
また、購入当初は片側の黄色フックの跳ね返りが弱く一度引っ込むと戻りにくいことが多かったのですが、プラスチック製造上の余分な出っ張り(パーティングライン/モールドライン?)が引っかかっていたようでした。棒ヤスリで出っぱりを軽く削るとこれも改善しました。
